

惜別の伊藤杯
荒れる天候予報で開催が危ぶまれたが、一転、落ち着いた夜空で風も弱く。 今シーズンのジャンプ最終戦、3月19日(土)の伊藤杯ファイナルとなった。 「勝って終わりたいです」 心底、集中していた小林諭果(CHINTAI)が2本ともに1位の完全勝利で、 茂野美咲(CHINTAI)の引退に花を添えた。 「なるべく涙ではなく、笑顔で終わりたく思いました」 こころなしか、うるっときてしまう瞬間はあったようだが、そこは我慢。 それよりも後輩たちにも笑顔で送り出してもらいたい、その意識が強かった。 「最後は優勝してと思いましたが、ユカに持っていかれてしまって」 と、4位でいくらか悔しがったが、表彰式ではその小林選手が『茂野美咲』の 応援小旗を手に持って表彰台に昇ってくれた。 それはチームCHINTAIの結束の高さと茂野選手への感謝の現れだった。 そして大挙して大倉山へかけつた応援団も懸命に声援を送っていた。 引退セレモニーがあり、わりと、しんみりとしてしまう伊藤杯だが、 後輩選手と観客の皆さんに慕われる茂野選手のおかげで、いつになく、 明るさに包まれた伊藤杯ファイ


偉業の4連覇
伝統ある宮様大会そのファイナルを飾るのは大倉山ラージヒルだ。 ここまで過去3連覇中の茂野美咲(CHINTAI)は、もちろん優勝を狙っていた。 そこに大倉山が得意なチームの同僚小林諭果(CHINTAI)が大きく立ちはだかる。 1本目はともに127.5mでポイント差で茂野選手が首位となった。 そして2本目には茂野選手122m、逆転をめざす小林選手が126mを記録したが、 これも僅差1.4ポイント差にて優勝は茂野選手、栄えある4連覇を達成した。 「自然体で飛べることができました」 茂野選手は落ち着きにあふれて、2位につけた小林選手は、 「着地でテレマークを確実に入れることを再認識しました」 と冷静に振り返った。 今季、残すは伊藤杯ファイナルだ。その大倉山でまたドラマが見られそうだ。 宮様大会大倉山LH2位小林諭果(CHINTAI)と優勝した茂野美咲(CHINTAI)㊨ 茂野美咲(CHINTAI) 小林諭果(CHINTAI) 茂野美咲(CHINTAI)


北京五輪の効用
2月の国内大会をキャンセルして、一路、北京五輪のシャンツェに立った茂野美咲(CHINTAI)だった。 それも急遽、テストジャンパーが足りないからということからの招聘となった。 「ラージヒルで、1日1本くらいでしたが集中して飛べました。男子外国勢選手の上手いジャンプを見続けて、本当にためになりました」 そのおかげで、自然体でジャンプすることを学び、それをそのまま札幌宮の森で表現してみた。 そして札幌五輪記念と宮様大会で2位と3位の表彰台入りを果たした。 また国内にとどまり入念に調整していた優勝候補の小林諭果(CHINTAI)はいくらか苦手意識がある宮の森では、その実力を発揮できなく4位と6位に終わり、残るラージヒル大倉山2試合にすべてをかけていた。 茂野美咲(CHINTAI) 小林諭果(CHINTAI) 小林諭果(CHINTAI) 小林諭果と小林龍尚㊨