

悩み抜いての表彰台
日本国内で高梨選手のW杯新記録54勝をと願っていたジャンプファンが、その瞬間を見届けようと山形蔵王スキー場へと上がってきていた。 新雪が降りしきり14時45分からのトライアは中止になり、エントリーした50名が1本目へ。しかもそれも降雪で途中中断、ここは地元スタッフの懸命な除雪作業が実り、2本やり遂げて、試合が成立した。 好調なスロベニアとロシア勢が果敢に飛ばし、主力の欠場をみたドイツとオーストリアは不完全燃焼、そこへ日本女子が地元の慣れ親しんだシャンツェでの上昇を目指して飛んだ。 出場した日本選手は、6人全員が2本目へと進み、各々見事にポイントを獲得した。 日本チームは山形蔵王に売店を出店していた船木和喜コーチによる的確な指導が生きた勢藤優花(北海道ハイテクAC)がうれしい6位入り。岩渕香里(北野建設)は2本目に失速して10位、伸びやかに飛んだ茂野美咲(CHINTAI)は1本目16位からトータルで23位につけ、学生ジャンパーの岩佐明香(日大)は26位だった。 日本2トップ伊藤有希(土屋ホーム)は、パワフルなジャンプで2位表彰台に昇り、3位に高梨沙


団体戦2連勝
日本は予想どおりに団体戦で優勝した。 精鋭の4人が思いのままに夜空へ飛び出していった。 1番手岩渕香里(北野建設)がおおらかに飛距離を伸ばし、船木さんの指導を受けて落ち着いて飛んだ長身の勢藤優花(北海道ハイテクAC)がしっかりとつなぎ、ロングジャンプの3番手伊藤有希(土屋ホーム)そして盤石のアンカー高梨沙羅(クラレ)がきちんと決める流れで優勝。 試合は風のためにトライアルがキャンセルされ、17時からの1本目開始となった。 団体戦の2連勝と地元日本での勝利は、日本チームの実力と山形蔵王大会の成功の礎でもある。 いわば勝ってあたりまえの感もあるにせよ、この勝利は先に自信をもたらしてくれる。 もしBチームと作るとすれば茂野、小林、岩佐、かもた、みかせ 「飛び出しの失敗でした。いつも課題を抱えながらのジャンプです」 高梨は謙虚に語るが、あまり考えすぎることなく、いってしまえと思い切り飛ぶのも一考である。 そのあたりの心のコントロールが望まれる。うまく重圧をはねのけるパワーおよび、ずらしのテクニックがもっとほしい。 「蔵王は大好きなジャンプ台なので、いい感


ここから巻き返しだ。
無風に近い山形蔵王。 夕暮れとともに冷え込みが厳しく、指先が痛み出すくらい。 ランディングバーンに沿って横に長く広がった観客は、エイブル応援団の 掛け声にリードされて日本選手に最大の声援を送っていた。 新記録の54勝を狙っていた高梨沙羅(クラレ)は大きく飛び出したが、 なぜか空中のスピードがない。 好調時であればそれこそ、うなりをあげてぐんぐんと伸びていったのだが いまや、きれいに降りていくイメージにあり、そこそこの飛距離は出る ものの圧倒したそれとは違うシルエットであった。 しかも100m台を2本揃えて圧勝したルンビ(ノルウェー)は力まかせ の飛びから、流れていくような技術をミックスさせた高いフライトで、 ビッグジャンプを連発させていた。 さらに新進気鋭ホルツル(オーストリア)は山形蔵王のシャンツェと相性 がよく、鋭く弾丸のような突っ込みで飛距離を伸ばしてきていた。 日本勢はそこでどのように対応していけば良いのだろう。 高梨4位に伊藤有希(土屋ホーム)が5位。長身でアプローチスピードが 出る勢藤優花(北海道ハイテクAC)がひとケタ8位に入ってき


54勝新記録を蔵王で
およそ1年近く優勝から遠ざかっている高梨沙羅(クラレ)にチャンスがきた。 先の札幌W杯宮の森その大観衆に後押しされながらも3位と2位表彰台。 国内シリーズの山形蔵王では個人戦2試合と団体戦1試合がある。 日頃からトレーニングで慣れ親しんでいる蔵王シャンツェだ。 ここで一気に、優勝を決めて意気揚々と2月へと突き進みたい。 ドイツは主力のアルトハウスとフォクトが調整のため帰国、蔵王W杯には 出場しない。残るはW杯リーダーのルンビ(ノルウェー)など。 蔵王特有の霧や横風を味方につけておおらかに飛ぶことができれば、 その大いなるチャンスはやってくる。 また前年に蔵王で連勝している伊藤有希(土屋ホーム)も好調のジャンプを 見せている。ついには日本勢のワンツーフィニッシュとの夢もふくらむ。 さらに「甘えび汁」で出店をした船木和喜選手兼コーチの店もその美味しさで にぎわいそう。もちろん船木コーチは教え子の勢藤優花(北海道ハイテクAC) へオリジナルの技術を伝授、さらなる飛翔が期待できるのだから頼もしい。 日本にいるうちに新記録のW杯54勝をものにしよう。 そう


高梨は3位と2位 札幌W杯
札幌女子W杯の2日目は朝方の降雪から一転、晴れとなった。 今日こそ優勝をと高梨沙羅(クラレ)は勇敢に飛び出したが、
1本目90mで3位。
W杯新記録54勝をなんとしても地元札幌でと願う大観衆。 ... そこで2本目、このシリーズ最高のジャンプで93mを記録して首位に立つ。アルトハウスがサッツで遅れて後退。高梨は首位のまま。しかしルンビは高く伸びやかに98.5mの最長不倒距離、
絶好調のジャンプを見せて連勝を決めた。 高梨は2位表彰台に立ち、徐々にではあるが調子を戻してきている。また伊藤有希(土屋ホーム)は5位だった。
やはりアプローチでスピードが遅い、その約1㎞差は大きいのだろうか。
また学生ジャンパーの岩佐明香(日大)が勇躍29位に滑り込んだ。小林諭果(CHINTAI)は残念ながら予選落ちだった。 次週は山形蔵王での個人2試合、団体戦1試合になる。
輝ける54勝の場はナイトゲームでとの期待が高まる。 Photo:Yoshifumi Iwase


札幌女子W杯初日
札幌女子W杯始まった。
今日は2017/18シーズンの8回目。 日本のエース高梨沙羅(クラレ)は地元札幌で、W杯新記録の54勝をめざした。 ... ほぼ無風な状況での1本目に93mで4位につけて、そこからの上昇を狙い、2本目の着地前に粘りのジャンプをみせて3位表彰台となった。 優勝は現在の実力どおりにルンビ(ノルウェー)とアルトハウス(ドイツ)で1-2フィニッシュ。 気迫の伊藤有希(土屋ホーム)は4位に終わり、第9戦への健闘を誓った。 ともにトップ選手から1㎞弱のアプローチスピードの遅さが気になるところ。 またCHINTAIスキークラブの小林諭果と茂野美咲は2本目に残り、27位、28位と健闘をみせた。 地元の利を生かして明日は、エイブル大応援団と、札幌ノイズ応援団の声援を受けたふたりの表彰台が望まれる。 Photo:Yoshifumi Iwase