団体戦2連勝

日本は予想どおりに団体戦で優勝した。
精鋭の4人が思いのままに夜空へ飛び出していった。
1番手岩渕香里(北野建設)がおおらかに飛距離を伸ばし、船木さんの指導を受けて落ち着いて飛んだ長身の勢藤優花(北海道ハイテクAC)がしっかりとつなぎ、ロングジャンプの3番手伊藤有希(土屋ホーム)そして盤石のアンカー高梨沙羅(クラレ)がきちんと決める流れで優勝。
試合は風のためにトライアルがキャンセルされ、17時からの1本目開始となった。
団体戦の2連勝と地元日本での勝利は、日本チームの実力と山形蔵王大会の成功の礎でもある。
いわば勝ってあたりまえの感もあるにせよ、この勝利は先に自信をもたらしてくれる。
もしBチームと作るとすれば茂野、小林、岩佐、かもた、みかせ
「飛び出しの失敗でした。いつも課題を抱えながらのジャンプです」
高梨は謙虚に語るが、あまり考えすぎることなく、いってしまえと思い切り飛ぶのも一考である。
そのあたりの心のコントロールが望まれる。うまく重圧をはねのけるパワーおよび、ずらしのテクニックがもっとほしい。
「蔵王は大好きなジャンプ台なので、いい感覚で飛ぶことができました」
柔らかいおっとしとした口調の勢藤選手。
船木コーチからは何も言われていませんとはにかむが、そこは金メダリストの師匠船木コーチは、甘えび汁出店の前からシャンツェを遠めに眺めること、やきもきしつつであった。これこそ素晴らしい師弟愛。
サマージャンプの練習とトレーニングの開放と合宿で勢藤が飛び慣れていたジャンプ台。
ドイツチームの主力アルトハウスと減量に成功しているフォクトが帰国した優位さもあり。
また連日エイブル応援団のリードは素晴らしく会場の盛り上げに大きく寄与していた。そのおかげの団体戦勝利であった。
じつは、まとまりの良いスロベニアがひたひたと背後に迫ってきていた。しかもそれには圧力があった。
果敢に飛ばすロシアも集中力があり、強気なリーダーアバクモアが積極的に飛ばしてきた。
それだけにうれしい団体戦2連勝の日本女子だった。
さあ、今日は最終戦、エース高梨は個人戦で54勝を決めて、気分良く2月へと進んでいきたい。