人望あつきマリシュさん
あの時代、一世を風靡したスピードジャンパー、小柄な精鋭アダム・マリシュ(POL)が、今年の2月、2017ラハティ世界選手権のシャンツェ下に出てきていた。
「あいつの、スピードあふれるジャンプが気になっていてね」
当時、ジャンプ週間で表彰台に上がった葛西紀明(土屋ホーム)は、そのときの彼の衝撃的な印象を語っていた。
それはオーベルスドルフLHの80m付近で写真を撮っていても、よくわかった。
太もも裏の強烈なバネによって、サッツからジャンプのピークまでの推進力が猛烈にあったのだ。だからマリシュのときはレンズをほかの選手よりも前方向に進めて構えていた。
あれから幾年たったことだろう。
ポーランドチームの選手たちのスキーを受け取るや否や、すぐにスキーバンドでとめて選手キャビンへと持っていくアダム・マリシュPOLチームコーディネーターなのである。
可愛い後輩たちのためにと、進んで下働きするマリシュ。
そっとカメラを向けるとすぐに『あら、久しぶりだね~』とウインクしてくれたりするから、こちらもうれしくてたまらない。
それだけに、いま最強のチームになり得たポーランドというのが、すべて納得できた。
