充実の秋を迎えた葛西紀明

秋深し、たまに東京の神田に現れ、にこやかに。そして札幌道庁前の赤レンガのステージにすっくと立つ、いたって元気そうな葛西紀明(土屋ホーム)だった。
長野白馬で行なわれたサマーグランプリでは、いつもながらのトライアルキャンセルにつき。ほのかにカメラを構えていると、ちょっぴり肩透かしで『らしくて、いいけどさ』である。
それで夏から秋にかけては、順調なトレーニングを積み重ねて、だと思うw
ただ2月のビリンゲン(ドイツ)ファイブではさすがに飛んでおかないといけないような。だって、クオリファイ(予選)の1本も加わり本番5本になるから。
それに札幌はビリンゲンに、この時期のW杯開催を譲ったわけで、まったくもうとは思うが、
同時期、白馬でノルディック複合W杯もあるわけで、いたしかたなく。
懸念されているウエイトコントロールは、このところなかなか体重が落ちなくなってきたという心配も、どこ吹く風。いいんです、マイペース調整でノリさんは。
白馬の定宿で食事の後に飲んでいた温めのブラックコーヒーは、ポットから一杯もらってみたけど、ストレートできつくて。そこで一瞬つらそうな表情だったが、一気にすっと流し込み。それで体重調整と相成りだった。今季も58㎏ベストでいくのだろうか、カミカゼカサイ。
実際のジャンプさながら、近年では後進の育成指導に力を入れており、それは地元下川町出身の伊藤有希(土屋ホーム)にその闘魂と男子なみのリアルなテクニックが注入されている。


とくに、あれこれ細かく話を聞かずとも、その表情を垣間見ればいまの流れはよくわかる。
今季の大きな目標は2月に控えるビッグなイベントだが、あそこの荒れ果てる風は、いやはや読みにくいことしきり、めっぽうイラつく現場状況でもある。
それだけにいつものジャンプ週間4試合で称賛の拍手に包まれて、さらに得意のビリンゲンで好調の波に乗り、すみやかに進んでいきたい偉大なレジェンドKさんなのであった。