華麗なるまま船木和喜
何年になるだろう、それも故郷余市にある伝統の竹鶴シャンツェをルーツとする、誉れ高き五輪金メダリストの船木和喜(FITスキー)であった。
「今シーズン、とても好調なんですよ。あの昔の感覚が戻ってきました、それもロウアングルの飛行ですね」と嬉しそうに語ってくれる。
そんな彼に、いつまで飛ぶの? そういう問いかけは少々いただけないw
「そうですね、娘にその飛距離を超えられて、着地後に父さんそろそろだねと、肩をポンポンされたら考えますよ」
じつに粋である。
これぞ風林火山の旗印のもと、あのインスブルックで名高いベルグイーゼルの台を席巻した、王者フナキならではの真骨頂!
さらにチームの教え子である長身ダイナミックな勢藤優花(北海道ハイテクAC)に注入されるオリンピック金メダルテクニックも、いよいよ花が開きそう。
「いま自分が飛んでいるからこそ、新たに見えてくる技術があるのです。でも、もうちょっと練習を重ねたいですね」
長野五輪の覇者は、まだ思うがまま、生涯一現役の道をひたすらに歩んでいる。

