圧勝を遂げた小林諭果
『圧勝を遂げた小林諭果』
それはもう、他の追い上げを許さない、気迫にあふれた雪印メグミルク杯の優勝だった。

ここまで夏場から入念にトレーニングを積んできた小林諭果(CHINTAI)である。
とくに筋力アップは著しく、それがいよいよジャンプに活きてきていた。
「落ち着いて飛べるのです。一戸コーチのアドバイスを受けてしっかりと練習してきましたから」
ときに白馬、あるいは基礎練習として飯山のジャンプ台を早大の後輩や注目の高校生一戸くる実さんと一緒に、繰り返し飛び、飛躍本数を重ねてきた。
「自信を持って冬に入ることができたと思います」
それはアプローチスピードの上昇と確かな踏み切りそして安定した空中姿勢へと現れた。
そして得意とする大倉山のラージヒルで素晴らしいジャンプを連発。
「おごった言い方ではありませんが、いまの国内においては勝つことが大事。それに開幕戦の名寄は力んだこともあって、あまり良い成績を残せなくてその悔しさもありました。それに兄弟(潤志郎と陵侑)が世界で活躍しているので同じフィールドに立ちたくもあって」
この先の実現できる夢を追いながらユカさんは日々賢明に飛んでいる。
[飛べ飛べCHINTAIその③]
写真・文/岩瀬孝文
photo & text by Yoshifumi Iwase
小林諭果